わたしのヒストリー 猟犬とイノシシ狩り(前編)デイサービス利用者 友寄景六(95歳)
猟犬とイノシシ狩り(前編)
電気や水道の無い、今から五十五年前頃の話ですが、根路銘、上原部落は芋栽培が主な産業で段々畑にたくさん芋が植えられていました。イノシシの大好物は芋で、畑を荒らし、被害が多く出たので、部落から依頼されイノシシ駆除の仕事をしました。中学を卒業した息子と一緒にやっていました。
猟犬を最初は四頭から養い、徐々に一般の犬をグループに入れ犬同士で訓練させ、七~十頭の集団を狩りに連れて行きました。 犬は一日十時間ほど働く事も有りました。エサはたくさんあげては動けないので、朝出かける時に少しあげます。餌を食べる順番は決まっていました。大将から順に食べます。 上下関係がはっきりしていました。犬を集める時はほら貝を携帯していて吹くと集まってきていました。
イノシシは賢くて、犬に追い詰められると塀にお尻をくっつけて前からしか攻撃されないように立ちます。その時はそっと人が後ろから回ってモリで突きます。それを見て、犬は押さえつけます。 人が突くのを待っています。怖いのです。イノシシの首をかみつくのは大将です。首を振られたら牙でやられます。牙の上歯は砥石になっていて下歯で切ります。絶頂の時は牙が立っています。年を取ると曲がってきます。首のまわりのヤマワイという部分はゴムの様でモリで刺しても弾きます。先輩からそこは突くなよと言われていました。
また賢いのは、自分が来た道をごまかすために同じ場所をぐるぐる回ります。犬が吠えながら追いかけて来た時に臭いをかいで同じようにぐるぐる回ります。時間稼ぎをする技です。
(本人及び息子、友寄景勇さんより聞き書き)※続きは次回へ