わたしのヒストリー 猟犬とイノシシ狩り(後半)デイサービス利用者 友寄景六(95歳)
猟犬とイノシシ狩り(後編)
デイサービス利用者 友寄景六(九五歳)
獲ってきたイノシシの顎の骨と尻尾は役場に持て行けば補助が有りました。当時のお金で四ドルでした。結構な金額でした。イノシシの肉は今のように技術が無いので臭いがきつく、高くは売れ無かったですが、切り分けて、集落の人が買ってくれました。
イノシシを生涯で五百頭は掴まえました。一日多い時九頭取った事が有ります。お腹に七頭いました。子供産む時期は年に二回あります。イチゴの時期、しいの実の時期です。食べ物が有る時期です。食べ物が無い時期はミミズを取って食べます。芋があまり大きくない時は食べません。時期を知っています。
犬も人も疲れるので三日に一回程しか狩りは出来ません。サーウイの家から近いところでしたら毎日行けますが、遠くは今の大保ダムの近くまで行く事も有りました。早朝、食事もしないで昼の三時ごろまで歩き回ることもありました。
イノシシは道を作ります。待ち伏せて、仕留めたと思ったら犬を突いてしまったことが有ります。吠えない犬で、色もイノシシに似ていました。その犬は抱っこして連れて帰って床下に寝かせたら、肺を突かれていたので息をするたびに土埃が舞い上がっていましたが、犬は強かった。死にませんでした。元気になってまた頑張りました。
犬を譲ってくれという人がいて、半分譲りました。仕込んだ犬を分けると後が続かなくなります。若い犬を入れてもダメでした。グループ力が弱まりました。犬はイノシシを仕留めると活気づきます。我々のグループはすごいんだと言う感じです。失敗したときは力を落とし落ち込みます。犬の力はすごいです。数多く養ったので性質が分かるようになりました。ぬしうむやー(主想い)、鼻が特別利く犬、挟み撃ちが出来る賢い犬など色々いました。犬がいないと仕事できなかったです。犬は叱ったりしません。褒めて子供みたいに育ててあげないとだめです。家族のように大事にしていました。
それぐらいしないと飯が食えなかった時代です。
難儀では有るが楽しかったです。