わたしのヒストリー デイサービス利用者
デイサービス利用者 寿 忠夫さん(92歳)
縁結びの喜びを感じて
出身は鹿児島県徳之島です。早くに母を亡くして十九歳で沖縄に仕事で来ました。その後屋我地の女性と結婚し、三人の子どもに恵まれました。
いろいろな仕事をしながら沖縄市に住んでいました。三十八歳頃出雲会館の経営者が同じ徳之島出身で声をかけられ、島根県の出雲大社に資格を取りに行き、出雲会館やNBCなどの結婚式場の神前結婚式の神主をしました。働きながら神主の階級を上げていきました。
結婚式はもちろん地鎮祭にも呼ばれて行きました。年に一度は出雲大社で研修(合宿)にも参加しました。神主の修業は精神統一が必要で祝詞を読む練習を毎朝したり、祝詞を書くために書道教室に通い日々勉強をしました。着物は※ 狩衣と言って自分で準備しました。絹で出来ていてこの着物でなくてはならないという決まりがありました。
平成二十五年八十五歳のとき道で転んで骨折して神主の仕事は終えました。この仕事の良さが子ども達にも伝わったのか娘も出雲大社で神主の資格は取りました。
実施に神主をすることはなかったけれども、結婚式場でカメラマンをしたりして祭事の仕事を共に行いました。
この仕事に対しては縁結びを使命感と感じていました。誇りをもって勤め上げました。結婚式をあげた夫婦からお礼状を頂くこともありました。それが思い出になっています。 (娘・玉城久美子さんに 聞き書き)